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9月23,24日に、『第0回Quick & Chalk プログラム「5年後の地域に必要なものを考案し、多くの人の共感を得よ!!」』を開催しました。企業から出される課題を、高校生と大学生がチームを組み解決策を作りあげる過程を通じて、社会人基礎力の醸成や地域への愛着を育むプログラムです。 本企画は、霧島市で家屋の設計建築を行う「株式会社住まいず」様に協力いただき、開催することができました。参加者は3つの普通高校から5名の生徒、4つの大学から5名(うち、2名は京都府愛知県からの参加)の学生が集まり、3グループに分かれて課題解決に挑みました。当日の様子を御紹介させていただきます。

【1日目】

[1.イベントの趣旨説明・チームワークビルディング]  

事務局スタッフより本プログラムの背景である、学校と社会の違い、社会から求められるスキルの高度化、少子高齢化による人口減少などの説明をしました。運営側の姿勢として「大人はいろんなことを教えない。自分たちで考え動く。」「年齢や学歴は関係ない。思いや気付いたことは誰でも発言して良い。」「答えは作り出すもの。」を明示して、企画のキックオフ。

参加者は3または4人のグループに分かれ、「チーム名」と「個人・チーム目標」を立てました。進行役は事務局のサポートを行う大学生の2名。チームがチームとして機能するためにお互いを知ること。参加者全員が一つのチームとして機能するように大人も交えた全体での自己紹介を行いました。ディスカッションのグランドルールとして「自分の思いや考えはしっかり伝える」「相手の話を最後まで聞く」を共有して、本題に入っていきます。

[2.企業とテーマ理解、モデルルームの見学]  

株式会社住まいず有村健弘様より、事業内容やテーマの説明、その背景となる霧島市の現状についてお話しいただきました。県内の木材を使用した家づくりの6次産業を行いながら、地域に密着したフリーマガジンの発行やモデルルームでのイベント開催などを行っています。霧島市ではここ10年近くで、人口減少が少しずつ進み、廃業する企業は増加、観光者は多いけども宿泊者は減っている現状がある。「社会減と自然減の同時発生による人口減少と観光や経済の縮小」に対して、5年後に地域に必要なものを考案して欲しいと話されました。

モデルルームの見学では、 おしゃれな土間のある住宅と共働き世帯が住みやすい住宅の2軒を拝見しました。参加者は自分の家との比較をしながら、どのような工夫が施されているか説明をうけました。趣味のサイクリングバイク(アウトドアの趣味)を室内に入れ、靴を脱がずにお客様をお招きできる家。入口が2箇所ありママが家事をしやすいつくりになっている家。多種多様な生活と10〜20年後のライフスタイルを想像して、それに合う設計をしているモデルルームや住まいず様のこだわりに参加者からは驚きの声が上がっていました。会場に戻ってから、問題の整理、霧島市の現状分析を通じてどのようなサービスや仕組みが必要か考え、大きな方向性を決定しました。

[3.夕食と参加者同士の交流会]

夕食はモデルルームのお庭で、BBQを行いました。お肉を美味しく焼き、参加者をおもてなしするのは、テーマを提供いただいた有村様。昼とは違う表情を見せるモデルルームの前で、美味しい肉を頬張る参加者は満足気。参加者同士将来の話や現在の学校生活についての意見交換も行われました。食事の終盤では、尺八の師範である参加者による演奏3曲。元応援団長である学生による高校生へのエールや住まいず様へのお礼の言葉。食事を通じて、参加者同士の親睦も深まり2日目の鋭気を養う機会となりました。

【2日目】

[4.レクリエーション・ディスカッション]  

朝のレクリエーションは、ショートビデオ制作アプリを使った表現のワーク。 ディスカッションの主導権を握っていた大学生から、本アプリを使いこなす高校生へリーダーをバトンタッチ。3チームが「幸せ」というテーマを、それぞれの切り口で表現しました。レクリエーションを通じて、支える役割や統率する役割について考えました。

その後、各グループプレゼンテーション本番に向けて模造紙とスケッチブックの制作を行いました。地域の困りごとは何か?他の地域ではどんな事例があったか?どのようなものがあれば自分達は使用したいと思うか?など、議論は進んでは戻る過程を通じて、10分程度の報告内容を作成しました。あるチームは地域住民に、ヒアリングを行い報告内容に盛り込みました。

[5.プレゼンテーション本番]  

テーマの提供をいただいた株式会社住まいず 有村康弘11.5代目社長。県内の青年団の取りまとめを行う、一般財団法人鹿児島県青年会館艸舎 池水聖子事務局長。参加生徒の担任である教員1名のゲストに対して1泊2日の成果を思い切りぶつけました。

[提案内容]
Aチーム 魅力を凝縮した小さな霧島市を作りチャレンジショップを市民が運営
Bチーム 高齢者とその家族が生きがいを感じる高齢者施設
Cチーム 若い者が集い、学習チャレンジできるスペース

[6.講評と振り返り]

最後はゲストの3名より、講評と参加者に向けて今後期待することをお話しいただきました。『報告内容は50点。残りの50点はこれからの大学の学びや社会体験を通じて点数を上げて欲しい。「面白い!」や「これどうなっているんだろう?」と考えた点が自分の興味関心。今後の進路選択の参考にして学校生活を有意義なものに!!』とエールを送った。

振り返りでは1泊2日の自分の気持ちの変化を把握したのち、プログラムへの挑戦度、目標達成度を内省する。その後、「チームに貢献できたこと」「メンバーに助けられたこと」「新たな学び」や「新たな自分の側面」について、グループで話し合い、翌日から始まる日常生活をどのように過ごすか話をしてプログラムは終了しました。

[参加者の感想]

・ プレゼンの作成中には、私がアイディアを考えたことによって、大学生の先輩も喜んでいた。私も嬉しくなり、大学生の意見に頼らないで、自分の言葉でまとめてあげることができた。(高校生1 年生男子)
・ 『自分に「限界」を作ってはいけないんだ!!』と強く思いました。私自身がみんなと関わっていくなかで、「団結」と「意見」を分かち合う大切さを学びました。(高校1年生女子)
・ 今回このプログラムに参加することこそが挑戦だったと思う。そして、自分で手を挙げて意見を伝えることができたのは良かった。(高校1年生男子)
・ いろんな意見を出してもらったり、自分の知らないことやわからないことを教えてもらいながらプロジェクトが進んだ。何が必要か、どういうことを話すべきか。わからないときに、大学生が正しい道に修正してもらい、高校生との違いを感じました。(高校1年生女子)
・ 今回のイベントで得た「自ら行動すること、発言すること」は、イベントに参加する前はできなかったので、今回だいぶ変われたと思います。本当に自分でもびっくりしているので、これからも積極的な行動力を持っていきたいです。(高校1年生女子)
・ 意見をまとめて、少しでもチームが動き出していけるようサポートをすることができたと思う。今までの経験やナラティブストーリーを話して、参考にしてもらうことができた。(大学3年生男子)
・ 高校で今回のようなプログラムができたら、進路が大きく変わったと思う。私はキャリア教育に関わりたいし、まちづくりにも関わりたい。何かできることを見つけていきたいと思う機会になりました。(大学4年女子)
・ もっとこうしたら良かった。チームのメンバーにもっとこうして欲しいがたくさんあったけど、それを含めてとても考えさせられる2日間だった。日常にはない思考の連続で自分の幅が広がったように感じます。(大学4年女子)

ご協力いただいた皆様には、この場をもって御礼申し上げます。
[株式会社住まいず様 本企画に関するブログ

本企画の概要

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